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2024-03

1Q84 - 2010.06.19 Sat

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流行に乗り遅れた感はあるけど、知人が3巻まとめて貸してくれたので読んでみた。
5日ほどで読了し、以下はその感想。多少ネタバレあり。

おおまかに言えば、全体的には面白い本だと思う。
が、読みやすいのがウリみたいだけど、ちょっと読みやす過ぎる気もする。
京極夏彦好きとしては、少し歯ごたえ不足で物足りなかった。
それから、無駄に感じてしまう描写がちょっと多い気がしたことと、
肝心な部分でのツメが甘い気もした。

例えば。

調査能力に定評があるといわれる牛河。
彼が青豆の幼少時代からの生い立ちを単独で調べる時、調査不可能と思われる領域まで踏み込むときに忽然と現れた謎の人物。
肝心な部分はその人物に丸投げし、高額な金銭と引き換えに簡単にその情報を手に入れる。
この上なくご都合主義っぽく感じてしまう。
牛河の能力をあれほどまでに持ち上げてしまうと、ちょっと説得力に欠けると思った。

もう一つ。

青豆と天吾が物理的に結ばれる場面だが、あっさりとし過ぎていて感動に欠けてしまった。
二人のお互いの肉体に対する反応や仕草が、まるで10代の若者の行いのように感じた。
もちろん、二人とも10代の頃の魂に戻って結ばれるシーンだと思っているので、それはそれでアリなのだとは思うけど、初々しさや青臭さといったものとは別次元の、ただの稚拙な行いにしか見えなかった。

では感動した部分はどこか。

それは天吾が日々営む、日常生活の描写。
飯を炊き、味噌汁を作り、主菜に、酢の物などの小鉢も忘れない。
食べ切れなかった分はラップをして冷蔵庫にしまう。
大げさでも豪華でもなく質素極まりないのだけど、それがいい。こんなお婿さんが欲しい。
青豆も良かった。冷蔵庫にある野菜にマヨネーズをつけて適当に食べる。
すごくリアルだ。飾らず人間味があってすごくいい。

あとはタマルの冷酷でストイックなハードゲイぶりだろうか。
ところでこの本は3巻で完結なのかな?


とりあえず、アマゾンから京極の 死ねばいいのに が届いたので、次はこれを読むことにする。

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